『スケートリンク、一緒に行こう!』:日常の空気感を造形に落とし込む試み

「日常」という非日常

フィギュア造形において、派手なアクションポーズや魔法のエフェクトは「映える」要素ですが、今回敢えて挑戦したのは「滑走する二人の日常的な瞬間」です。

漫画『メダリスト』のワンシーン。手を取り合ってリンクを滑る二人。そこには命がけの戦いのような緊張感ではなく、信頼と少しの安らぎがあります。
この「空気感」をどうやって固形のレジンに閉じ込めるか。それが今回のテーマでした。

重力と遠心力の嘘

実際にスケートをしている瞬間をそのまま3Dスキャンしても、フィギュアとしては美しくなりません。
髪のなびき方、コートの裾の翻り。これらは物理的な正しさよりも、「二人が楽しそうに見えるか」「スピードを感じられるか」という感情的な正解を優先して調整しています。

特にいのりちゃんの髪の毛は、司先生に引かれて加速した瞬間の「ふわっ」とした浮遊感を出すために、薄く、軽やかに造形しました。
3Dプリンタ出力の強度限界ギリギリの設計ですが、ここの軽やかさを失うと全体の印象が重くなってしまうため、譲れないポイントでした。

塗装による「温度」の表現

氷上のシーンなので、全体的に寒色のライティングを意識した塗装を行っていますが、二人の肌だけは少し血色を良くしています。
寒い場所だからこそ際立つ、体温の温かさ。指先の赤みや頬のチークで、生きている人間の温度感を表現しました。

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